まとめと提案
まとめとして私が強調したいのは,UFO問題を独自に調査してきた結果,この極めて興味深い謎に対して早急に科学的関心を高めなければならない,と確信したことである.
過去20年間,UFOの潜在的重要性について,科学者組織はかなり誤解していると思う.長い間続いた誤謬の歴史について言いたいことはあるが,ここでは説明しない.ただ,科学および宇宙航行学委員会に対し,これ以上遅れずに,この状況を変えるべく権限上許される限りの行動をとるよう強く勧めたい.
このシンポジウムは,私が望む方向への素晴らしい一歩だと言える.この委員会には今後もさらに努力を重ねていただきたい.本委員会,および本問題に関心のある他の下院委員会が,さらに規模の大きい公聴会を開く必要があると考えている.
UFO問題の重要性を考える際,地球が自分たちよりはるかに進んだテクノロジーを有した高度な文明によって監視されている可能性を見逃してはならない.私は地球外仮説を強く支持している者の一人である.この仮説を支持するようになったのは,他の仮説を消去していった結果であり,“確実な証拠”があるという理由からではない.
国内外の信頼できる人々によってここ20年以上繰り返し観測されている現象をナンセンスなものとして無視することはできない.むしろ,単純に我々にとって理解不能な現象が発生し続けている証拠として,重要視すべきものである.UFO現象の裏に敵性や重大な危険性があると結論づける根拠はないが,まったくそういう危険性はないとも言えない.これらの理由により,早急に,UFO問題に対して,科学者および国民の関心を高める必要がある.
UFO地球外起源説に注目すべきであるという提案は,数々の興味深い問題をつきつけるが,これまで意味のある議論はほとんど行われてこなかった.
懐疑派の人々がよくあげる疑問に「なぜ彼らはコンタクトしてこないのか?」というものがある.これに対する最良の回答は,他の知的文明に対しては人間が抱くような動機や理由を当てはめるのは間違っている,というものである.彼らがまだコンタクトしてこないのは,後進文明を調査する際の特徴ではないかと考えられる.他にもいくつか理由が考えられるが,いずれも推論の域を出ない.
早急に必要なのは,UFO現象のあらゆる側面に対するより積極的な科学的研究である.米下院科学および宇宙航行学委員会はそのための非常に重要な役割を果たすことができたと考えている.
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