1.ケース9.ニューメキシコ州ファーミントン,1950年3月17日
1950年にごく短期間であったが新聞の見出しを飾ったこの有名な事件の調査で,私は推定数百ないし千人以上いるとされる目撃者のうち,7人のファーミントン市民にインタビューした5,25).そのインタビューで,当日,通りは空中に浮かぶ正体不明の物体を見上げる住民で溢れかえっていたことが明らかになった.私が調べたのは事件後17年が経過してからだったので,目撃者の回想に若干あやふやな点が含まれるのはしかたがない.それでも多数の未確認飛行物体が1950年8月17日にファーミントン上空を飛んでいたのは間違いないようであった.
私が会った目撃者の一人,クレイトン・J.ボディは,1950年8月17日午前中の早い時間に,全部で20から30の円盤状の物体(その中には他の円盤よりかなり大きな赤い円盤があった)が,高速で上空を通過したと話している.また,同市で不動産業を営んでいるジョン・ベイトンの話では,その騒ぎが始まった時理髪店にいたが,声をかけられて外に出たところ,高空を1個の物体が高速で飛行し,その後ろをたくさんの物体が高速で飛行するのを目撃した.事件直後に彼が走り書きをしたメモのコピーを送ってもらった.元海軍のパイロットだったベイトンは,飛行高度をおよそ15,000フィートと記していた.
「その物体が赤色だったことは間違いありません.何人かそれを見た人に話を聞きましたが,全員その物体は赤い色で,超高速で北東に飛行したと話しています」と彼は述べている.
また,小さいほうの物体の群れが「旋回すると平べったい形になり,次に旋回した時には円形になった」とも話している.確かに円盤型物体だとすると,角度によりそのように見える.翼や尾翼を見たという人はいなかった.機動性に富み“ハチのよう”だったと複数の目撃者が主張している.もっと詳しい情報を入手しているが,ここでの説明では,これで十分であろう.
考察
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