5.ケース30.南極,アドミラルティ湾,1961年3月16日 考察
フィリップ・J.クラスは,最近の著作でもっとも興味深いUFO事例の大部分は,球電と関係のある大気電気プラズマであることを証明しようとしており39),これも“プラズマUFO”で説明できるよい事例として取り上げている.彼は二つに分裂したことのみを取り上げ,それを根拠に球電だと主張している.
しかし,気象学的に理解されている球電の性質で,類似しているのはこの点だけと言ってよい.物体が非常に構造的なことや光線を発したこと,大きさ,水平軌道,雷雨をもたらすことのない下層雲の下の,霧のかかった地域に出現したことなどから,球電だとは考えられない.また,雲より下の出来事なので,これを流星で説明することもできない.
私はこの事例を,数多く存在する説明不能の大気現象の一つだと考えている.
過去20年以上のUFO現象の報告の山を科学者がじっくり調査すれば,その全スペクトルは科学者に衝撃を与えるものとなるだろう.UFO報告が現在の科学的,工学的知識で説明できないものではない,という公式見解は,私に言わせれば完全に間違っている.ヴィレーラの観測はそのことを示す良い例だと思われる.そして,これまで述べてきたように,気象学者はUFOを目撃しているのである.
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