1.ケース20.ラスクルーセス,1949年8月20日 考察
メンゼル博士はこの現象を,地面に反射した光,もしかしたら上空の逆転層あるいは煙霧層に反射した“家の窓の明かり”かもしれないと説明した.そしてその動きは,煙霧層の揺らぎによるものだという.
この“説明”は理解しがたいというだけでなく,途方もないことを述べている.
逆転層が窓の光をほぼ垂直方向に反射するには,これまで観測されたものより異常なほど大きな屈折率の不連続が必要である.そういうものを想定するのは問題外である.
メンゼルはその著作で,いちばん必要な定量分析には関心を示さず,気象光学を使って簡単に説明しているが,これも同様にいい加減なその場しのぎの説明である.
これまで観測されたものよりはるかに大きな強度の逆転でも,(トンボー博士の目撃のときのような垂直方向の入射では)1%よりはるかに小さな反射率にすぎないことを示すのは簡単なことである.
私はトンボー博士の目撃を既知の気象学的あるいは天文学的な現象で説明できない.
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