幻日
幻日は,完全に解明されている気象光学的現象である.適当な氷の結晶の雲が存在し,氷の平面結晶上に水平方向から入射した太陽光線が屈折すると,太陽の左あるいは右約22度のところに,ぼやけた茶色がかった光点が発生する.
月の場合でも起きることがあるが,それは希である.それを幻月という.
幻日はそう珍しくないものだが,一般の人は,おそらく,その現象を光学現象と認識できないであろう.そのため,幻日をUFOと見間違える人がいる,と考えてもおかしくない.しかし,気象光学についてほとんど知識のない人物が短時間目撃者と対話して,その原因を立証してしまうのである.
もし幻日であれば,観測者ははっきりした輪郭をもった物体のようなものではなく,太陽の左か右,おそらく地平線に非常に近いところに非常にぼんやりした光点を目撃したと述べるであろうから,すぐ気づくだろう.
ソルトレイクシティ近くで61年10月2日に起きたウォルドー・ハリスの目撃は,メンゼルがもっともらしく幻日で説明したが,これは幻日についての既知の特徴をすべて無視するか,報告の主な特徴をすべて無視したものであった.
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