4.あからさまな敵意を示すまれな例
これまでの調査で,あからさまな敵意によるものといえる傷害事例を2例だけ知っている.これらの事例には十分信頼できる証拠がある.他にも同様の報告例はあるのだが,私個人が調査を行い,信頼性を保証できるのはその2例だけである.
1968年3月19日の夕方,オハイオ州ビールズヴィルで,ある少年が異常な事件に遭遇し,皮膚に軽い火傷を負った.グレゴリー・ウェルズ少年が祖母の家を出て,数十ヤード離れた両親のトレーラーハウスに行く途中で,祖母と母親は彼の叫び声を聞いた.彼女たちが駆けつけてみると,彼のジャケットは燃えていて,彼は地面を転げ回っていた.彼は近くの病院で手当てを受けた.そして彼は,両親,郡保安官代理,その他の人たちに自分が目撃したことを話した.
彼のいた場所からハイウェーをはさんだ先に,複数のライトがついた卵形の物体が木々の上方に浮かんでいた.底の中央部分から,チューブ状のものが出現,回転し,閃光を発した.それと同時に,彼のジャケットが発火した.その時彼は物体から逃げようと背を向けていたので,上腕の後ろ側が燃えた.
この事件の調査で,私はビールズヴィル地域の大勢の人に話を聞いた.事件の夜,ウェルズ家の敷地の近くで,長い円筒状の物体が超低空を飛行しているのを目撃した人が数名いた.この話はもっと詳細なのだが,ここでは要約したものだけにしておく.
私は彼の教師を含め,彼を知っている人たちと話した.内容は異常なものだけれども,彼が嘘を言っているようには思えない,と話していた.
私はビールズヴィルの事件を調べてから,もうひとつの報告を調べた.もっと深刻な火傷を受けた事例の記録だったが,あからさまな敵意がはっきり感じられた.ここでは氏名や場所を特定できるような詳細を明かさない方がいいだろう.私の持っている情報と,関係者に5回インタビューした内容から考えて,この事件は実際に起きたものであるのは間違いないと思われる.この事件があまりにも特異であり,また証拠の一部に矛盾が残されているので,詳しいことは述べない.ただ,この事例や,他の多くの傷害事例は,パニックを起こすほどのものではないが,さらに徹底的に調査すべき現象であることを強く示している,ということだけは述べておこう.
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