2.ケース27.アリゾナ州ユマ,1953年2月4日 考察
この事例は公式ファイルでは“識別不能”とされている(公式ファイルでのこの事例の要約については参考文献7参照).これらの物体は,太陽の近くを飛行していたので,浮遊微小粒子による太陽光線の前方散乱の可能性が考えられる.
しかし最初,太陽から約40度離れた位置で物体が捕捉されたが,この位置では小角散乱が生じることはない.さらに,空中散乱が原因だったとすると,まず間違いなく5分以内に大気の乱れにより2個の像は離れてしまうはずだ.
しかし,観測者の報告によれば,経緯儀の約1度の視野角内を一緒に移動しているのである.そして,2番目の物体が視野から出た後,最初の物体の近くに戻ってきたという事実は,浮遊微小粒子仮説では説明できない.
したがって,“識別不能”という公式の分類は,この場合妥当だと思われる.
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