5.UFOと上記以外の電磁波による障害
UFOが近くを通過し,ラジオやテレビの電波障害が引き起こされた事例は多数ある.このようにUFOが電磁波に影響をもたらすのは確かなようである.これらの事例は,広帯域の電磁雑音が原因だと考えられる.
数は少ないが,私はそのうちいくつかを調べた.UFOが近くを通過すると,一戸だけが停電になった事例がある.この異常な現象は,変圧器コイルの芯の磁気飽和が原因だと推測できる.
さらに,UFO現象が観測されたとき,あるいはその前後に,重要な配電システムが故障した事例がいくつかある.私は個人的にそのような事例をいくつか調査し,UFOの観測と停電が同時に起きていたと確信している.だが偶然なのか,そうではないのかはよくわかっていない.
1965年11月9日に北東部を襲った大停電のときも,UFOの報告が多数寄せられていた.私自身もそのうちいくつかの事例を調べた.偶然かどうか判断するために連邦動力委員会に問い合わせた.しかし,得られたデータからは,はっきりした結論は得られなかった.
アメリカ以外の地域でも,UFOの目撃と同時に電力システムが機能停止した報告がある.この場合も,偶然かどうかははっきりしない.
UFOの周囲に強い磁場が存在することを示す証拠は十分ある.その強い磁場のせいで,UFOが偶然停電を引き起こすのだと考えることもできる.強い磁場を伴ったUFOが送電線近くを高速で通過すると,一時的に大きな強度の非対称電流サージを引き起こし,回路遮断器やサージプロテクターが働いて,停電を引き起こすのかもしれない.もちろんこの説明には若干問題がある.しかし,それが関係している事例もあるだろう.
これまでの証拠では不十分なので,電力システム,電気工学に詳しい優れた科学者,技術者がこの種の事例を研究すべきだと考えている.私はこの潜在的重要性をもつ問題に対して,適切な研究が行われているという話を聞いたことがない.
UFOの危険性の問題は,研究が十分行われていないために,敵性を示す証拠が乏しいということにも注意する必要がある.
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