未確認飛行物体に関する公聴会用論文
ジェームズ・E. マクドナルド
アリゾナ大学大気物理研究所(アリゾナ州ツーソン)上級物理学者,気象学部教授
PREPARED STATEMENT ON UNIDENTIFIED FLYING OBJECTS
James E. McDonald, Senior Physicist, Institute of Atmospheric Physics, and Professor,
Department of Meteorology, The University of Arizona, Tucson, Arizona
序
私はまず第一に,下院・科学および宇宙航行学委員会が未確認飛行物体(UFO)の謎についてその科学的側面を詳細に検討する必要性を認識するようお願いしたい.科学の歴史においては,既存の科学知識の枠組みからあまりにもかけ離れた現象であるがゆえに科学の対象とは見なされず,よって途方もない重要性をもつ問題であることを誰かが声高に叫ばなければならなかった状況が何度も見られる.UFOの問題がまさにそれである.
私の最近の調査で確信したことの一つは,わが国の科学界だけではなく世界中の科学者が,この極めて重要な問題をナンセンスなものと見なし,無視している,ということである.当委員会が関心を払えば,この状況を正す大きな助力となり得るだろう.それは私の望みでもある.
私の見解は2年に及ぶ慎重な調査に基づいたものである.以下をお読みになれば理解していただけると思うが,UFOはおそらく地球外起源の機械装置であり,はっきりした根拠はないものの,何らかの“監視”に携わっているのではないかと思われる.
もしこの地球外起源の物体という仮説が証明された場合(私は証拠を見る限りこの仮説が一番有力であり,この仮説を否定できる根拠はないことを強調したい),明らかにUFO問題は最優先すべき科学的課題となる.この仮説の正しさを証明できる見込みが少ないとしても,UFOは最も注意を要する問題であることを委員諸氏には同意していただけると確信している.
しかし実際は,その見込みは些細なものであるとは思えない.我々は前CIA長官でもあったR.H.ヒレンケッター中将と同意見である.中将は8年前に「UFOはどこから飛来しているのか,その目的は何か,調べなければならない」1)と述べている.
当委員会は宇宙計画全般だけでなく,多くの科学計画に関わっている.ここ数年,宇宙計画は宇宙における生命探査という壮大な目標にも関係してきているのであるから,今日のシンポジウムのテーマは委員諸氏の関心に適ったものだと思う.私は,これに比較しうる科学的かつ国家的な重要性をもつ問題はないと考えている,と明言しておく.このような主張はオーバーに聞こえるかもしれないが,それを承知で述べさせていただいた.
科学および宇宙計画に委員会諸氏が関わっていること以外に,もう一つUFO問題を取り上げなければならない理由がある.20年間にわたる大衆の関心や不安が,UFOの謎を早く解明するよう要求しているのである.
今日,このセッションが,20年もの間存在し続けてきたこの問題に光をあてる重要な転機となり,新しい科学研究を方向づけるものになることを期待している.
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