4.ケース19.オレゴン州ポートランド,1947年7月4日 考察
1947年7月4日の目撃がマスコミの嘲笑の対象になったことは,ブローチャーが米国各地から取り寄せた80以上の報道記事の調査により明らかである.しかしながら,私がポートランドの多数の目撃者を取材したところ,これらの目撃情報を打ち消す根拠を何も見出せなかった.
この事例に対する公式見解は“レーダーチャフ”である.同日のある時刻,同地域において金属片を落下させた航空機があったという報告6)に基づいていると思われる.
“チャフ”とは,レーダーを撹乱する目的で,軍用機から放出される通常数インチの帯状の金属箔である.チャフが空中を浮遊落下し,レーダーの電波を遮り,反射するのである.
数百ヤード先からは視認できないほどの大きさなので,多くの警察官がチャフを円盤型の飛行物体と混同したというのは考えにくい.警察官たちから直接話を聞いていれば,そんな説明を考えるようなことはあり得ないだろう.ここに問題が残る.
つまり,多くの場合,公式見解は,目撃者から直接聞き取りも行わず,担当部局が作成しているのである.
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