2.ケース2.
アラバマ州モントゴメリー,1948年7月24日
航空機から目撃された初期の頃の事例でもう一つ有名なものに,イースタン航空のチルス−ホイッテッド事例がある3,5,6,10,23,24,25,26).
午前2時45分,ヒューストンからアトランタへ向けて飛行中のイースタン航空DC-3は,モントゴメリー付近高度約5,000フィートを飛行していた.パイロットのクラレンス・S.チルス機長と副操縦士のジョン・B.ホイッテッドは,現在イースタン航空でジェット機を操縦しているが,当時すでに彼らはベテランのパイロットだった(当時チルスの飛行時間は8,500時間,両者とも戦時中に軍事飛行任務についていた).
この事例に含まれる数多くの重要な点をクロスチェックするために,今年,チルスとホイッテッドにインタビューを行ったが,スペースの都合上,そのすべてをここで詳しく紹介できない.
チルスは,注意していたスコールからその物体が現れたと述べた.彼らは光体が移動しているのに気づいたが,最初それをジェット機だと思った.ジェット機の排気が何かの加減で,下に述べるようなものに見えたのだと思ったのである.
その物体は機とほぼ同高度をまっすぐ機に向かって飛んできて,右主翼をかすめて通り過ぎた.そのときの距離については両者の意見は食い違っていて,一人は1,000フィート以下だったと感じ,もう一人はその数倍だったと述べている.しかし両者の意見は,当時も1968年のインタビュー時も,その物体が何らかの人工的飛翔体だったという点では一致している.
主翼も尾翼も見当たらなかったが,二列に並んだ窓あるいは開口部のようなものから“マグネシウムの燃焼のような”明るい光が見えていたのを,二人ともはっきり記憶していた.その物体にはとがった“機首”があり,物体の下部は機首から後部まで青く輝いていた.
後端からは,赤みがかったオレンジ色の排気または航跡が出ていた.その長さは物体とほぼ同じだった.物体の大きさはB-29とほぼ同じ,太さは約2倍ということで両者の意見は一致していた.もちろん実際の距離がはっきりしないので,これは推定である.
DC-3が物体の通過で影響を受けたかどうかについては,記録でも彼らの記憶でもはっきりしない.物体が機の右側に近づいてきたときに,チルスがとっさに左に旋回させたので,影響があったとしても気づかない程度だったのかもしれない.
物体が機尾を通り越して突然上昇するのを両者が目撃しているが,右側にいたホイッテッドだけが,短いが急速な上昇のあとでその物体が消えたのを目撃した.ホイッテッドは,“消えた”というのは,消失したという意味だと私にはっきり述べた.
以前は明らかに,「上空に向かって飛行し,見えなくなった」あるいは上空の雲の中に消えた,というように説明している.しかし,ホイッテッドはそうではないと述べた.その物体は急激な上昇の後,一瞬にして消えたという(このような突然の消失は他の事例でも見られる.この現象は私には説明できない).
考察
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