3.ケース3.アイオワ州スーシティ,1951年1月20日 考察
識別不能物体の異常な機動が管制塔から目撃されているので,かなり良質の事例であると言える.管制官が離陸する乗員に注意を促したところ,物体が急降下し,慣性に逆らう180度ターンを行い,随伴飛行したが,これはこの事例を非常に興味深いものにしている.
ヴィンザーとバークマイアは私に,報告した形状は確かだと断言した(彼らは月夜で明るかったと何度も述べているが,確かに当日は満月に近く,スーシティの気象局の雲量記録でも快晴だったことが確認されている)が,その他の特徴からも,これは最も重要な事例であると言える.
報告されている形状(尾部,エンジンがなく,後退翼ではない大型の物体)は私が知っている他のどのUFOとも一致しない.
しかし,これまで驚くほど様々な形状のUFOが報告されているので,同一形状のUFOが報告されていないという点は,理解しがたいというわけでもない.
この事例は1958年の報告29)に含まれているが,そこでは公式に識別不能に分類されており,12の識別不能事例の中からこの事例が選ばれてコメントされている.
当時の説明28)では,ほとんどすべてのUFOはスカイフック気球の誤認で説明できるという話に触れ,「海軍研究局は宇宙線観測気球ですべてのUFOが説明できる,と主張している.では,このパイロットは何を見たというのだろうか?」と書かれている.
確かに,この事例は,気球,流星,幻日あるいは球電で簡単に片づけられないだろう.
UFO報告を科学的課題として扱わず嘲笑の対象としてきたため,今なお説明できない未確認飛行物体が多数存在するが,この事例もその一つに位置づけられる.
バークマイアは私に「秘密兵器ではないかと思ったが,あれから17年経っても,急激な180度ターンを行える航空機の話を一度も聞いたことがないよ」と言った.
私はヴィンザーに,この20年間に多くのパイロットが目撃した識別不能の物体についてどう思うか尋ねた.彼は「全員が全員,幻覚を見たなんていうことはないだろうな」と答えた.
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