1.とりあげた事例の情報源
1966年以前は,UFOを見たという人たち150〜200人にインタビューした.1966年以降には,200〜250人あるいはそれ以上にインタビューしている.1966年以降に行ったインタビューの内容は,それ以前に地元の目撃者に聞いた話とは基本的に性質が異なる.1966年以前に聞いた目撃談はだいたいたまたま私の耳に入ったものだった.だが1966年以降のものは,ほとんとすべてがNICAPやAPROといった民間のUFO研究団体か,公式調査機関(プロジェクトブルーブック)が調査済みのものである.したがって1966年以降のものについては,私は,金星や火球,航空灯を誤認した目撃者は扱っていない.こうした事例は簡単に確認できるので,調査機関がすでに調査してその種の誤認を明らかにしている.私が調べたケースには古いものも多く,20年以上前のものもあった.
報告された科学的に興味深い情報を選別し,その情報を利用できるようにすることは,各国の研究団体の基本的な作業である(おかげで私はオーストラリアで80人ほどにインタビューできた).私は協力してくれた一般の方々には非常に感謝している.科学者は何度も彼らの努力を無視して嘲笑的態度をとってきたが,天文学者風の優しい言い方をすれば,UFO問題が最終的に解明されたとき,彼らが果たした役割は重要なものだったと認められるだろう.私がここでとりあげるのは数ある研究団体のうち大きなものだけ(NICAPは約1万2千人,APROは約8千人のメンバーがいる)であるが,アメリカや他の国にも小さな団体がたくさんあり,多くの場合,資金は乏しいが,優れた仕事をしている(もちろん,でっちあげで世間を騒がせるだけの小さな団体もある).
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