米下院UFOシンポジウムマクドナルド博士(公聴会用論文)
UFO現象に危険性や敵性を示す証拠はありますか?
>3.深刻な外傷

3.深刻な外傷

 フロリダ州フォート・マイアーズのジェームズ・フリンの事例は,APROとNICAP双方の調査員がかなり詳しく調べている.それによると,1965年3月15日,フリンは,エバーグレイズである物体を見つけた.彼はその物体が,ケープカナベラルから打ち上げられたテスト用の宇宙船が落下したものだと思った.その物体を調べようとしたとき,彼は異常な傷,身体的影響を受けた.
 私は,フリン本人や,彼のことを知っている人たちと話した.この事例は,彼が報告したとき,公式機関はそれほど関心を示さなかったが,もっと注意を向けるべきものだと思う.APROが発表した担当医の報告45)によると,彼は深刻な目の出血(医学的原因は不明)の治療のため,一週間近く入院した.また,かなりの日数,深部腱反射がまったく見られなかったという.
 1966年の3月29日,オンタリオ州ハミルトンで地上に着陸している不明物体に直接触れ,かなりの火傷を負った事例が報告されている.当時13歳だったチャールズ・コーゼンズは,その夜,かなり小さい2個の白い発光体が,ハミルトンの野原に降りてくるのを目撃した,と警察や報道記者に話した.私も彼と父親に電話でインタビューした.
 少年は好奇心からその物体が降りていった方へ行き,その物体のすぐそばまで近づいた.そしてその物体の感触を確かめたくて一つの物体の表面に触れてみた.ものすごく滑らかな表面で,熱くはなかった.物体のうちの一つは小さな楕円形のパンのような形をした物体(8フィート×4フィート,高さ3〜4フィート)で,先端に突起物が一つあり,少年はそれがアンテナのようなものだと思ってそれに触ってみた.その瞬間その突起物の先端から閃光が発射され,少年は手を引っ込めた.
 少年は走って近くの警察に向かった.しかし野原を出るときに後ろをみたら,もうその物体はなくなっていたので,警察で話しても信じてもらえないと思い,自宅へと向かった.彼の両親は怯えている少年からその出来事を詳しく聞き,その後警察に通報した.それでこの一件は公になったのである.
 その夜,ハミルトンでは他に2人が同様の物体が飛行しているのを目撃している.コーゼンズ少年は突起物に触れた手に火傷を負っており,治療を受けた.少年と父親をインタビューした時,彼らは真剣かつ率直に話しているという印象を受け,この事例は真剣に対処すべきだと思った.大人の証言者が何人もいた方が,たった1人の少年の証言よりも信頼されるのは明白だ.しかし,この事例は,詳しく調査する必要があると確信している.
 この他にも何件か,着陸している未確認飛行物体に直接接触して軽傷を負った事例が報告されているが,十分な調査は行われていない.海外で起こった同様の事例に関しても,証拠の信憑性を確認するために詳しく調査すべきである.そうすれば,多数の事例の中から信憑性の高い事例を選び出し,重点を置いた研究が可能となる.


「米下院UFOシンポジウム」収録のマクドナルド博士の論文



  ◆ 未確認飛行物体に関する公聴会用論文
    
    目的と背景
    UFOの問題の従来にない特質
    いくつかの代替仮説
    インタビューおよび扱ったUFO事例の種類
        1.とりあげた事例の情報源
        2.目撃証言の特徴
        3.目撃者の信頼性
        4.目撃者の観察の信憑性
        5.目撃者が前もってUFOの知識があった場合に生じる問題
        6.現在関心が持たれているUFO報告の種類    
          a.夜間の発光体(NICAPのスタッフが“DL(夜間怪光)”
            と呼んでいるもの).

          b.翼のない円盤および葉巻型物体の至近距離での目撃.
          c.夜間近距離で目撃される静止滞空する発光物体.
            規則的あるいは不規則に点滅する場合がある.

          d.レーダーで捕捉された物体.
            地上あるいは飛行中の航空機から同時に目撃される.

        7.よくある疑問    
        8.有用なUFOの資料
    なぜパイロットはUFOを目撃しないのですか?
        1.ケース1.アイダホ州ボイシ,1947年7月4日 考察
        2.ケース2.アラバマ州モントゴメリー,1948年7月24日 考察
        3.ケース3.アイオワ州スーシティ,1951年1月20日 考察
        4.ケース4.ミネソタ州ミネアポリス,1951年10月11日 考察
        5.ケース5.ペンシルバニア州ウィロー・グローブ,1966年5月21日 考察
        6.ケース6.ケベック州東部,1954年6月29日 考察
        7.ケース7.インディアナ州ゴーシェン,1950年4月21日 考察
        8.ケース8.バージニア州ニューポートニューズ,1952年7月14日 考察
    UFOの目撃者がいつも一人なのはなぜですか? 
    どうして多数の目撃者が存在しないのですか?

        1.ケース9.ニューメキシコ州ファーミントン,1950年3月17日 考察
        2.ケース10.ワシントン州ロングビュー,1949年7月3日 考察
        3.ケース11.ユタ州ソルトレイクシティ,1961年10月3日 考察
        4.ケース12.ワシントン州モーゼス湖ローソンAFB,1953年1月8日
          考察
        5.ケース13.サバンナ川AEC(原子力委員会)施設,1952年夏 考察
        6.ケース14.コロラド州トリニダード,1966年3月23日 考察
        7.ケース15.カリフォルニア州レッドランズ,1968年2月4日 考察
    UFOが都市部ではなく,辺鄙な場所での目撃ばかりなのはなぜですか?
        1.ケース16.ニューヨークシティ,1966年11月22日 考察
        2.ケース17.カリフォルニア州ハリウッド,1960年2月5,6日 考察
        3.ケース18,テキサス州ベイタウン,1966年7月18日 考察
        4.ケース19.オレゴン州ポートランド,1947年7月4日 考察
    なぜ天文学者がUFOを目撃しないのですか?    
        1.ケース20.ラスクルーセス,1949年8月20日 考察
        2.ケース21.ニューメキシコ州フォート・サムナー,1947年7月10日 考察
        3.ケース22.メイン州ハーバーサイド,1947年7月8日 考察
        4.ケース23.ラトビア,オグラ,1965年7月26日 考察
        5.ケース24.コーカサス,キスロヴォーツク,1967年8月8日 考察
        6.ケース25.アリゾナ州フラッグスタッフ,1950年5月20日 考察
    気象学者や気象観測員は,空を見る機会が多いのに,
    なぜ彼らはUFOを目撃しないのですか?

        1.ケース26.バージニア州リッチモンド 1947年4月 考察
        2.ケース27.アリゾナ州ユマ,1953年2月4日 考察
        3.ケース28 南アフリカ,ケープ州アピントン 1954年12月7日 考察
        4.ケース29.ニューメキシコ州アレイ,1949年4月24日 考察
        5.ケース30.南極,アドミラルティ湾,1961年3月16日 考察
    気象観測用気球や調査用気球で
    たいていのUFOは説明できるのではないでしょうか?

        1.ケース31.ニュージャージー州フォートモンマス,1951年9月10日
          考察
        2.ケース32.ワシントン州オデッサ,1952年12月10日 考察
        3.ケース33.ワシントン州ロザリア,1953年2月6日 考察
        4.ケース34.マサチューセッツ州ボストン,1954年6月1日 考察
    なぜ,UFOはレーダーに捕捉されないのですか?
        1.ケース35.日本,福岡,1948年10月15日 考察
        2.ケース36.オーストラリア,ナウラ,1954年9月 考察
        3.ケース37.南アフリカ,ケープタウン,1953年5月23日 考察
        4.ケース38.ワシントンD.C.,1952年7月19日 考察
        5.ケース39.ミシガン州ポートヒューロン,1952年7月29日 考察
    UFOが本当に存在するのなら,
    なぜUFOの写真がたくさん撮影されていないのですか?

        1.一般的な考慮事項
        2.ケース40.カリフォルニア州コーニング,1967年7月4日 考察
        3.ケース41.エドワーズ空軍基地,1957年5月3日 考察
    もしUFOが実在するならば,
    何らかの物理的影響を残すはずではないですか?

    UFO現象に危険性や敵性を示す証拠はありますか?
        1.車を停止させたケース
        2.軽度の被爆
        3.深刻な外傷
        4.あからさまな敵意を示すまれな例
        5.UFOと上記以外の電磁波による障害
    UFO分析における大気物理学の誤用
        1.概説
        2.気象光学による説明
          蜃気楼幻日映日雲の反射/逆転
        3.大気電気
        4.レーダーの伝播異常
    まとめと提案
    参考文献


「米下院UFOシンポジウム」収録論文執筆者


ハイネックマクドナルドカール・セーガンホールハーダー
ベイカーウォーカーメンゼルスプリンクル
ヘンダーソンフリードマンシェパードソールズベリー


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