羽田空軍基地UFO事例5.レーダーによる観測>b.F-94のスクランブル発進

b.F-94のスクランブル発進
 IR-35-52に記録されているマルヴィン大尉の要約によると,B中尉は2345に任務に就くとまもなく,「レーダーの50マイル高ビームに反応があった」.彼はA中尉とともに,ジョンソン空軍基地(白井の西35マイル)のADCC飛行管制官と連絡をとり,目視とレーダーで観測された物体を調査するため,迎撃機の発進を要請した.
 第339戦闘迎撃飛行隊のF-94Bがスクランブル発進した.パイロットはP中尉,APG-33機上レーダーの操作員はR中尉であった.しかし,エンジン始動の際,燃料系統に故障が発見され,そのため発進は10分以上遅れた.記録によると,F-94が離陸したのは0003〜04である.東京湾近辺に達したのは,それから約10分後であった.APG-33は,3cm(Xバンド)レーダーであり,私の得た情報によれば,出力は50kW,ロックオン範囲は約2,500ヤードであった.レーダーの表示形式はBタイプであり,目標までの距離と方位を表示することができた.事例ファイルによると,「APGー33レーダーは,飛行の前後に必ず点検を受けているので,正常の動作状態にあったと思われる」.
 0009,白井は羽田近くに移動目標を捕捉し,F-94の乗員に連絡した.F-94は直ちにそれが羽田へ着陸態勢をとっている空軍輸送機C-54であることを目視確認した.乗員からの報告によると,その夜は“視程がまれなほど大きい”状態であった.白井は,湾上に出たF-94に対して,高度5,000フィートで捜索を開始するよう指示した.その捜索中の出来事に進む前に,約0001にGCIが捕捉した移動目標を検討しておこう.



マクドナルド博士のUFO研究――羽田空軍基地UFO事例

Case 3. Haneda Air Force Base, Japan, August 5-6, 1952.
in "SCIENCE IN DEFAULT: 22 YEARS OF INADEQUATE UFO INVESTIGATIONS"
James E. McDonald, Institute of Atmospheric Physics, University of Arizona, Tucson
(Material presented at the Symposium on UFOs, 134th Meeting, AAAS, Boston, Dec, 27, 1969)



要約
1.序
2.目視観測
   a.最初の目撃
   b.立川空軍基地での目撃
   c.発光体の方向,強さ,形
   d.発光体の見かけの動きに関する報告
3.目視観測についてのブルーブックの説明
4.目視観測に対するコンドン報告の説明
5.レーダーによる観測
   a.白井GCIレーダーによる初期の捕捉の試み
   b.F-94のスクランブル発進
   c.GCIによる最初の飛行物体の捕捉
   d.2周目とF-94による迎撃の試み
6.レーダー観測に対するコンドン報告の説明


 


SSPCのUFO書籍・資料
「レーダー捕捉UFO事例の研究」 「未確認飛行物体に関する報告」 「コンドン報告第1巻」
「ブルーブックケースファイル」 「米下院UFOシンポジウム」 「コンドン報告第3巻」
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