ヨーロッパのUFO >第10章 UFOが周囲に及ぼす影響
>10. 1 データカタログと統計分析

(前略)

 一般的な科学者は超常現象のことをよく知らないので,UFOが関与した異常な作用のデータベースを科学的に分析しようとしないのだろう.しかし事実とは,科学が事実と認めたもの,ということではない.まず最初に,科学者は,UFO現象の核の部分(物理的作用で構成されている) (Brand 1975)に関心を持つべきである.UFOの物理的作用は,UFO内の未知の知性体の欺瞞ではないであろうから,そのデータベースは,ハードな事実として考察できる.それで,MUFON-CESのメンバーは,電磁気および重力(EMG)効果に関するデータベースをつくることを決定した.CODAP(Computer Documentation of Anomalous Phenomena:異常現象コンピュータ資料化)という名称で,ルイス・シェーンヘルが構想をまとめ,コードの取り決めが行われた (Schoenherr 1974).最後の項目は,1983年に追加された(Schneider 1983).MUFON-CESのメンバーはそのアップデートを検討している(現在,UFOの形状は,ドイツの報告については3次元データにしている).
 たとえば,そのデータベースのEMG事例を分析すれば,UFOの推進理論を進展させるには,以下の特徴を考察しなければならないことが分かる.
1.  電磁干渉(すなわち,車の停止,電気設備の障害)
2.  機械的影響(すなわち,UFOの周囲の物体の浮揚現象)
3.  生理学的影響(麻痺,日焼けによる穿痛感)
4.  冷却効果(2次的な熱効果と重ならない場合)

 4番目は,磁気流体力学(MHD)のような理論は,UFOの推進方法の候補にはならないことを意味する.今日の物理学では,物理的な場あるいは放射によって“冷”が発生することを説明できない.我々の知識の範囲内では,“冷”の発生を予測する理論は,ブルクハルト・ハイムの統一場の理論(第11章参照)だけである.この理論では,“冷”は,物体と重力波の相互作用で生じる.エントロピーの増大(温度上昇と無秩序の増加)を招く電磁放射線との相互作用とは対照的に,重力との相互作用はエントロピーの減少と秩序の増加,そして温度の低下につながる.UFOの周囲での冷却効果はほとんど記録されておらず,膨大な熱の発生が頻繁に記録されているのは,おそらく派生的に生じたマイクロ波の放射が原因であろう.
 もし,重力波が,正体不明の物体の表面から放出されたとすると,その波形はのこぎりの目,すなわちパルス状のはずである.そのような波形の重力波が衝突した場合のみ,目撃されているように,周囲の空気がイオン化して原子が発光するからである (Beck 1977).同時に自由電子が重力波の周波数で振動し,その振動でマイクロ波が発生する.このマイクロ波の放射による熱が,重力波の放射による温度低下を上回り,温度が上昇するのであろう.

(後略)

図10. 1 電磁気および重力の影響が記録された1319件のUFO事例(1930〜1982年). アドルフ・シュナイダーが編纂した,CODAPUに基づいてコード化されたデータを使用.


  目次(リンクをクリックするとその一部が読めます)


    謝辞
    推薦の言葉  発見科学総合研究所
    発見科学総合研究所について
    序文  ジョン・F.シェスラー
         ブルー・マカビー
         リチャード・ヘインズ


 第1章 過去のUFO事例
   1. 1 フランス,ドイツ,英国の歴史的事例(16〜18世紀)
   1. 2 フーファイターとミラクル兵器
   1. 3 ヨーロッパ上空のゴーストロケット
   1. 4 ヨーロッパで発生した有名なUFO事例

 第2章 様々なUFOの形状
   2. 1 フランクフルト近郊のメッセルで目撃されたドーム付円盤
   2. 2 ローゼンハイム市近郊ホッホリース上空の卵形物体
   2. 3 イェムグム上空の葉巻形物体
   2. 4 インゴルシュタット上空の星形物体
   2. 5 プラウエン事例

 第3章 三角形のUFO

 第4章 同一形状のUFO

 第5章 UFO着陸・搭乗者目撃事例
   5. 1 コンタクトなしの搭乗者目撃
   5. 2 ランゲンアルゲン・コンスタンス湖事例
    5. 2. 1 コンスタンス湖上空の輝く物体
    5. 2. 2 バルデック・カフェ上空の物体
    5. 2. 3 異様な生物の出現
    5. 2. 4 他の目撃者
    5. 2. 5 事件後の影響
    5. 2. 6 物理的な調査
    5. 2. 7 心理学的調査
    5. 2. 8 退行催眠セッション
    5. 2. 9 精神科医の評価
    5. 2. 10 メンインブラックの出現

 第6章 UFOが残した金属片
   着陸現場の特定
   金属製の物体
   角の摩滅の跡

 第7章 UFOの証拠となる写真
   7. 1 グライフスバルトの光体
   7. 2 ギゼッペ・ルシフォーラが撮影したUFO
   7. 3 有名なナゴラの写真

 第8章 レーダーが捕捉したUFO
   8. 1 現在の防空システムにおける識別不能物体の扱い
   8. 2 レーダー画像分析の失敗
   8. 3 中欧の航空管制で使用される合成ディスプレイ
   8. 4 識別不能レーダー航跡の特徴
   8. 5 無秩序な飛行経路
   8. 6 知性的な挙動を示す航跡
   8. 7 軍のレーダー監視主任が三角形UFOを目撃

 第9章 高感度磁場検出器

 第10章 UFOが周囲に及ぼす影響
   10. 1 データカタログと統計分析
   10. 2 デンマークで同じ車が2度遭遇した電磁障害
   10. 3 フランス,トランス・アン・プロバンスにおけるUFO着陸後の物理的影響


原書表紙
 第11章 UFOの起源
   11. 1 概論
   11. 2 地球外仮説
   11. 3 心理学的現象,超常現象説
   11. 4 精神投影説
   11. 5 構造の歪み理論(TST)
   11. 6 地光仮説
   11. 7 平行宇宙説
   11. 8 異次元仮説
   11. 9 プロジェクター理論
   11. 10 タイムトラベル説
   まとめ

    附録A オルセンの信頼度指数
    附録B MUFON-CESの目標と活動
       1)画像分析班 2)レーダー分析班
       3)現地調査班 4)心理学研究班
       5)理論研究班 6)データ処理班

    訳者あとがき
    参考文献
    索引
    略歴


 



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「ブルーブックケースファイル」 「米下院UFOシンポジウム」 「コンドン報告第3巻」
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