全米UFO論争史 >第7章 議会公聴会開催を巡る争い

 空軍にとって,連邦議会でUFO の公聴会が開催されることは重大な脅威であった.その開催は,UFO現象が極めて重要であり,政府がそれに非常に関心を持っていることを意味するものとなる.それがきっかけで国益を損ねる「フライングソーサー・パニック」が起きるかもしれない.公聴会の内容如何では空軍はUFOファイルの機密解除を余儀なくされ,これまで十分に公開してきたとする空軍の主張との矛盾が露呈するかもしれない.公聴会は空軍のUFO調査に対する批判,広報プログラムに影響する批判を促すかもことになるかもしれない.そのため,公聴会を阻止,あるいは制限を課すことが1957年から1964年までの空軍の主要目標となった.

(後略)

1958年にプロジェクトブルーブック機関長に就任したロバート・フレンド少佐(左から3人目)と空軍システムコマンド海外技術部(FTD)のメンバー.1959年撮影.フレンド少佐は任期中,空軍情報部から別の組織へのUFOプログラム移管問題,議会でのUFO公聴会開催阻止の問題に関わることになる.

大きく報道され,多くの研究者に強い影響を与えたソコロ事件の現場写真.保安官代理のザモラが着陸中のUFOと2名の搭乗者を目撃,ザモラに気づいた搭乗者があわててUFOに乗り込み,離陸した.救援の警察官が到着したときはまだ灌木がくすぶっていた.かなりの重量がかかったと推定される四角い4個の圧迫痕が台形を形作り,焼け焦げた跡は4個あった.そのうち3 個は台形の内側にあった.小さくて浅い丸いくぼみもいくつか見つかった.空軍のファイルには「足跡」と書かれている.この事例はブルーブックファイルの識別不能事例の中で唯一の,着陸,痕跡,搭乗者が関係する事例である.


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原書表紙
   序文
   謝辞
   用語について

   第1章 謎の飛行船 ─― 論争の序曲
   第2章 現代のUFO目撃始まる
   第3章 1952年のUFO目撃ウェーブ
   第4章 ロバートソン査問会
   第5章 コンタクティとUFOマニア
   第6章 1954〜1958年 ―─ NICAPの台頭
   第7章 議会公聴会開催を巡る争い
   第8章 1965年 ─― 論争の転機
   第9章 コンドン委員会とその余波
   第10章 1973年 ── 過去からのこだま

   空軍が受けた年間UFO報告数の変化
   日本語版あとがき
     ・閲覧可能となった米政府文書
     ・目撃報告の減少
     ・ロズウェル事件
     ・ネオコンタクティ
     ・UFO研究界
     ・陰謀論
     ・アブダクション
     ・次の段階
   註
   情報源について
   主要参考文献
   著者経歴
   索引


   本書で取り上げた書籍一覧


 



SSPCのUFO書籍・資料
「レーダー捕捉UFO事例の研究」 「未確認飛行物体に関する報告」 「コンドン報告第1巻」
「ブルーブックケースファイル」 「米下院UFOシンポジウム」 「コンドン報告第3巻」
「全米UFO論争史」 「ヨーロッパのUFO」


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