マクドナルド博士のUFO研究

第10回 1954年6月29日 ケベック州東部 UFO事件


 ケベック州セブンアイランズ近郊で、1954年6月29日の日没直後に発生し た事例に関しては、私はまだ目撃者に直接インタビューしていない。だが、 当時の新聞報道、パイロットの事後報告、さらに近年行われたBBCスタッフ によるインタビュー等を通じ、相当量の情報が記録されている。
 この事例は、乗客51人を乗せたニューヨーク発ロンドン行きのBOACストラ トクルーザーが、18分間(航空路上で約80マイル)にわたって、大きな物体 とその周囲を奇妙な「編隊」を組んで飛行する6つの小さな物体に追跡された、 というものである。
 この時のストラトクルーザーのパイロット、ジェームス・ハワード機長は、 現在もBOACで現役の非常に優秀なパイロットである。、この事例発生の時点 で総飛行時間は7,500時間にも及ぶ。
 前代未聞のこれら物体については、乗客・乗員を含め20人ほどの目撃者が 証言している。

考察
 ハワード機長の証言および当日の天気図から、この時航空機は快晴で視界 も良好な地域の高度19,000フィートを飛行中であったことがわかっている。 この長時間にわたる目撃を、光学的あるいは電気的にはっきり説明すること はできない。物体が発光しておらず暗かったこと、また物体の位置と日没地 点との関係から、幻日という説明は除外される。蜃気楼現象では、80マイル もの持続性、目撃者の証言した物体の系統的な形状の変化、さらには小さい 方の物体が時折位置を変える際に見られた、幾何学的に規則性のある編隊の 説明がつかない。  ハワード機長が要請しグース空軍基地からF-86が到着する直前に、物体を 監視していたボイド副操縦士およびジョージ・アレン航空士が、小さい方の 物体が大きい物体に溶け込んだようだと告げ、その後大きな物体は北西の方 角に急速に遠ざかり、すぐに姿が見えなくなった。周囲の複数の小さい物体 が、中心の大きな物体に溶け込む、あるいは入り込むように見える挙動は、 これ以外にも世界各地のUFO事件において報告されている。

「マクドナルド博士のUFO研究」へ戻る

 


SSPCのUFO書籍・資料
「レーダー捕捉UFO事例の研究」 「未確認飛行物体に関する報告」 「コンドン報告第1巻」
「ブルーブックケースファイル」 「米下院UFOシンポジウム」 「コンドン報告第3巻」
「全米UFO論争史」 「ヨーロッパのUFO」


メールマガジン「未確認飛行物体の科学的研究」
テーマはUFOの学術的研究.毎号,海外の優れた研究をご紹介.


販売書籍資料室書評リンク

UFO書籍のSSPC TOPへ