未確認飛行物体の科学的研究(コンドン報告)第3巻
>第6部第6章 ソニックブーム   ウィリアム・ブルーメン


1.序

 未確認飛行物体の目撃者は現象に関連して生じるいろいろな音を報告している.急加速あるいは高速飛行中の鋭い,爆発的な音を報告している人もいる.
 他に,UFOがホバリングあるいは比較的低速で移動しているときに,ブーン,ウィーン,ヒューンという音がしたと述べている人もいる(Hall, 1964).空気中を突き進んでいることを示すヒュッあるいはシュッという音も報告されている.
 過去のそのような報告で特に注目すべきなのは,ある種の音すなわち衝撃波(通常,大気を押しのける際に予想される)が起きずに,地球大気中での音の最大速度をはるかに超えた速度で移動するUFOの報告である.
 それらの例では特徴的な“轟音”は聞かれていない.
 そういう事例でソニックブームが起きていないことはミステリーとして残されている.
 可能な説明は次の三つである.

a.実際の速度を過大に評価している.
b.大気にはソニックブームを抑える効果がある.
c.物体あるいは現象は超音速で通過しても大気中の気体を押しのけない.

 この章では,その飛行高度での音速を超えた速度で,物体が大気中を通過することで起きるソニックブーム,衝撃波の発生の基本的概念を示す.同時に,地上では聞こえない波を理論的に可能にする自然の効果や,航空機の改良や他の手段によりソニックブームを抑えることを目的とした現在の研究について考察する.
 一般的に,もし,超音速で飛行する特定の物体からのソニックブームが地上で聞こえるなら,その正体を特定するために気象学的データを使って各UFO報告を分析することもない.  困難なのは次の2点である.

1.ソニックブームに対する気象学的効果について,現在の知識は,統計的な確率の情報を提供できる程度である(Robert, 1967).
2.気象観測所の間や,予定された観測の時間の間の局地的な気象状況は観測されていない.



未確認飛行物体の科学的研究(コンドン報告)第3巻 の目次に戻る



SSPCのUFO書籍・資料
「レーダー捕捉UFO事例の研究」 「未確認飛行物体に関する報告」 「コンドン報告第1巻」
「ブルーブックケースファイル」 「米下院UFOシンポジウム」 「コンドン報告第3巻」
「全米UFO論争史」 「ヨーロッパのUFO」


メルマガ「UFO研究WEBマガジン」
テーマはUFOの学術的研究.毎号,海外の優れた研究をご紹介.


販売書籍資料室書評リンク

UFO書籍のSSPC TOPへ