未確認飛行物体の科学的研究(コンドン報告)第3巻
>第6部第1章 知覚の問題   マイケル・ウェルトハイマー


 あらゆる未確認飛行物体の報告を検証するうえで,知覚は重要な意味をもっている.人が何かを知覚(見る,聞く,感じる等)すると,当人が知覚したものから導き出した結論がUFO報告となる.
 この章では,知覚に関する既知の原理をいくつか紹介する.UFO報告に至る過程で,この原理をどのように適用できるか述べた文献も紹介する.ここで検討する内容に関連する,知覚についての基本的説明や詳細は,バートレイ (1958),フォン・フィーント(1966),デンバー (1960),ベアズリー とウェルトハイマー (1958),ギブソン(1950), フォーガス(1966),ボーリング (1942)などの標準的なテキストで述べられている.知覚に関する一般的な問題については,ホッホバーグ (1964)とレイボビッツ(1965)が興味深い内容を簡潔に紹介している.
 この章ではUFO報告に至る一連の物理的,生理的,心理的,社会的事象を体系化する.この一連の事象は通常,ある実際の物理的事象(観察者からある距離にあるエネルギー源あるいはエネルギー変化)に端を発し,観察者の感覚器官にエネルギーが伝達される.観察者の感覚器官に到達するエネルギー,つまり近刺激は,神経的事象に符号化される.これが知覚の対象に結びつけられ,最終的には認識となる感覚を作り上げる.この過程により,観察者はある方向,距離で起きている,ある特徴をもった現象に気づくのである.
 観察者の認識したものが「自分の体験を報告しなければならない」と確信させるものであった場合のみ,この一連の事象が報告という形になる.
 UFO現象に関する報告は,ほとんどが視覚によるものなので,視覚の知覚過程について,上記のそれぞれの段階を考察することにする.



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